「ダイビング後は何時間あけてから飛行機に乗ればいいの?」
これは多くのダイバーや旅行者が抱く疑問です。
実はこの時間を誤ると、体に残った窒素が原因で「減圧症」という深刻な症状を引き起こすリスクがあります。
今回は国際的なガイドラインや国内の目安をもとに、ダイビング後に安全に飛行機へ搭乗するための待機時間や注意点を解説します。
状況別の基準やリスク要因、スケジュールの組み立て方もわかりやすく紹介しますので旅行計画を立てる前にぜひ確認してください。
記事の監修者

浜 佑介
「マリンサービスサンフィッシュ石垣島」を運営
- 石垣島と宮古島でマリン会社経営
- ガイド歴17年 PADI インストラクター
- 初心者のガイド累計10,000人以上
【インタビュー実績】
石垣島のプロフェッショナルとして、旅を楽しみたい人にさまざまなツアーを提供しています🙋

【1日コース/7時間】幻の島上陸&体験ダイビング&ウミガメシュノーケリング
ウミガメとの遭遇率は90%以上!
初心者でも安心して体験ダイビング&シュノーケリングを楽しめます
なぜダイビング後はすぐ飛行機に乗れないのか

そもそも、なぜダイビング後はすぐ飛行機に乗れないのでしょうか?
ここからは、ダイビングと飛行機の関係や待機時間の目安などを詳しく解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ダイビングと減圧症・窒素の関係
ダイビング直後にダイビング直後に飛行機へ搭乗するのが危険な理由は、「減圧症(潜水病)」を引き起こすリスクがあるためです。
「減圧症」のメカニズムは以下のとおりです。
- ダイビング中 → 水圧で窒素が体内に蓄積
- 浮上後 → 窒素は呼吸や血流で徐々に排出
- 短時間で飛行機に搭乗 → 気圧差により窒素が気泡化
主な症状は以下のとおり。
- 軽度:頭痛、疲労感、関節痛
- 中度:めまい、しびれ、呼吸困難
- 重度:神経障害、意識障害、死亡のリスクも
つまり、「窒素を抜く時間」を確保しなければ安全に帰れないということ。
だからこそ、ダイビング後には十分な待機時間を空け、安全を確保してから搭乗することが必要なのです。
ガイドラインで見る「何時間あけるか」の基準
国際的な団体や航空局はダイビング後の待機時間に対して、以下のように基準を設けています。
団体・機関 | 推奨待機時間 |
DAN(Divers Alert Network) | 1本:12時間以上 複数本:18時間以上 減圧停止あり:24時間以上 |
PADI | 最低12時間以上、できれば18時間以上 |
FAA(米連邦航空局) | 18時間以上を強く推奨 |
日本国内(一般的目安) | 12〜18時間、複数本なら18時間以上 |
最低12時間はあけることをおすすめしますが、安全性を重視するなら、18〜24時間あけることを意識しましょう。
状況別の待機時間の目安一覧
必要な待機時間は、潜水本数や深度によって変わります。
ここでは、ダイビングの本数や状態による待機時間の目安を一覧にまとめました。
状況 | 推奨待機時間 |
1本だけ潜った(浅め・ノンデコ) | 12時間以上 |
複数本潜った日(2〜3本) | 18時間以上 |
減圧停止を要したダイビング | 24時間以上 |
連日ダイビング(2日以上続けた) | 18〜24時間以上 |
体験ダイビング(浅め・1本) | 最低12時間以上 |
1本だけ浅めに潜った場合は12時間程度でも問題ありませんが、複数本や連日ダイビングでは18時間以上空けるのが理想です。
さらに、減圧停止が必要だったダイビングの場合は24時間以上の休養が必要とされます。
体験ダイビングでも窒素は取り込まれるため、最低12時間はあけることをおすすめします。
減圧症リスクを高める要因
同じ時間潜っても、人によってリスクは変わります。
深い水深(30m前後)への潜水や長時間の滞在、連日潜水による窒素の蓄積はリスクを大きくします。
また、脱水、飲酒、疲労、体調不良といったコンディションも減圧症を悪化させる要因です。
以下の条件が揃うとリスクが高まるため、注意が必要です。
- 潜水が深い(30m近く)
- 潜水時間が長い(60分以上)
- 複数回・連日ダイビングをしている
- 疲労や寝不足、体調不良
- 脱水(飲酒や水分不足)
- 高齢や持病がある
年齢や持病の有無によっても個人差があるため、少しでも不安を感じたら待機時間を延ばすとよいでしょう。
安全のためには「余裕を持った計画」が欠かせません。
ダイビング後の飛行機に関する注意点3選

ここではダイビング後の飛行機の搭乗に関する注意点をまとめました。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
航空会社の規定を確認する
ダイビング後に飛行機へ搭乗する際は、航空会社の規定を事前に確認することが必須です。
各社とも「安全のための待機時間」を定めており、場合によっては搭乗を断られることもあるからです。
- JAL:24時間以上あけることを推奨
- ANA:記載なし
- 国際線:DANやPADIの基準に従い最低24時間以上を推奨する場合あり
「知らなかった」では済まされないので、フライト前に公式サイトでチェックしておきましょう。
水分補給を徹底し無駄な移動は避ける
ダイビング後は、十分な水分補給と体を休める行動が重要です。
脱水や疲労は血液循環を悪化させ、減圧症のリスクを高めるためです。
すぐに実践できる対策は以下のとおりです。
- 飲み物は水やスポーツドリンクを選び、アルコールは飲まない
- ダイビング後は急ぎの移動や重い荷物の持ち運びを避ける
- 空港までは余裕を持って移動し、待機時間をリラックスして過ごす
「体をいたわること」も安全に飛行機に乗るための大切な準備です。
不安があるときは医師やショップに相談する
少しでも体調に不安がある場合は、医師やダイビングショップに相談するのが最善策です。
頭痛やだるさなど軽い症状でも、減圧症のサインである可能性があるからです。
無理に搭乗すると症状が悪化する危険があります。
- ショップのインストラクターに症状を伝えて判断を仰ぐ
- 空港や旅先で医療機関を受診する
- DAN(ダイバーズアラートネットワーク)の緊急連絡窓口を利用する
「少しぐらい大丈夫」と思わず、専門家に相談することが安全な旅につながります。
ダイビングと飛行機に関するよくある質問

ここでは、ダイビング後の飛行機に関するよくある質問に回答します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Q1:体験ダイビングでも時間を空ける必要はある?
体験ダイビングでも必ず時間を空ける必要があります。
潜水時間が短くても、水中で吸う空気には窒素が含まれており、体内に取り込まれるからです。
水深5〜10mの体験ダイビングでも、潜水後すぐの飛行機搭乗は減圧症リスクがあります。
そのため、少なくとも 12時間以上は空けるのが基本です。
体験だからと油断せず、正規のダイビングと同じように待機時間を守りましょう。
Q2:小型飛行機やプロペラ機では基準は変わる?
小型飛行機やプロペラ機でも待機時間の基準は変わりません。
航空機の大きさに関わらず、客室は気圧が低下する環境になるため、窒素が気泡化するリスクは同じだからです。
石垣島から周辺離島へ飛ぶ小型機や、国内のプロペラ機路線でも「12〜18時間以上」の待機が推奨されています。
機材に関わらず「飛行機に乗る=減圧症リスクがある」と考え、同じ基準で対策を取りましょう。
Q3:飛行機で到着したその日にダイビングするのはOK?
到着したその日にダイビングをすることは、基本的には問題ありません。
飛行機に乗った後のダイビングは、気圧変化の影響を受けにくく、減圧症のリスクがほとんどないからです。
午前中に飛行機で石垣島や宮古島に到着し、午後から体験ダイビングやファンダイビングを楽しむツアーは一般的です。
ただし、移動の疲れや寝不足があると体調に影響するため無理は禁物です。
到着してすぐにダイビングすることは可能ですが、体調管理を優先し、もし体調が悪い場合は休養をとってから潜ることをおすすめします。
\到着日にダイビングを楽しみたい人は、こちらのツアーがおすすめです/

初心者でも安心・安全
体験ダイビング&シュノーケリングが3時間で楽しめる!
午前、午後の2便開催✨

初心者でも安心して楽しめる
体験ダイビングと幻の島上陸のセットプラン!
石垣島の海で
3時間たっぷり遊び尽くしたい方にピッタリです!

シュノーケリングをして体慣らししながら
ダイビングを楽しめる!
透明度の高いパナリのダイビングポイントは
無数のサンゴとトロピカルな魚達の乱舞
まとめ
今回は、ダイビングと飛行機の関係について詳しく解説しました。
ダイビング後に飛行機へ搭乗する際は、最低12時間、できれば18時間以上、減圧停止を伴った場合は24時間以上の待機時間を設けることがおすすめです。
体験ダイビングや小型機の搭乗でもリスクは変わらないため、油断は禁物です。
また、十分な水分補給や体調管理、航空会社の規定確認も欠かせません。
大切なのは「安全第一」で旅を楽しむこと。
正しい知識と余裕のある計画で、ダイビングとフライトの両方を安心して楽しみましょう。

Cカード(Certification Card)認定証の取得コース✨
取得すれば水深18mまでの深さまで潜ることが可能に!

【1日コース/7時間】幻の島上陸&体験ダイビング&ウミガメシュノーケリング
ウミガメとの遭遇率は90%以上!
初心者でも安心して体験ダイビング&シュノーケリングを楽しめます